ユーザー車検の手順

ユーザー車検の手順をご覧ください。ステップバイステップで解説します。

1)車検の予約をする

2)陸運支局に行く

3)書類を記入する

4)重量税を支払う

5)検査ラインで検査を受ける

6)車検証発行

 

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1)車検の予約をする

まず、車検を受けようとする日の1週間~3日前に検査の予約を行います。前日でも検査予約が出来る時もありますが、月初や年末、年度末は予約が埋まりやすく混雑するため、早めに予約をしてください。

予約をするためには、どこで予約をするか、決めておく必要があります。インターネットで管轄の陸運支局の位置を調べましょう。なお継続検査の場合は、日本全国どこのの陸運支局でも検査可能です。

予約はインターネットから24時間いつでも出来ます。

・自動車検査インターネット予約システム

https://www.yoyaku.navi.go.jp/pc/reservationTop.do

yoyaku-system

このような航空機の予約システムに似た予約画面で、検査を予約します。予約時には現在付いているナンバーか、車体番号が必要になりますので、手元に用意してから予約してください。

#予約時のコツ:

検査は、その時間帯により1ラウンド~4ラウンドまであります。

1ラウンド:8:45-10:15

2ラウンド:10:30-11:45

3ラウンド:12:45-14:15

4ラウンド:14:30-15:45

可能なかぎり早いラウンドを予約しましょう。その場合検査が不合格になった時のやり直しが出来ます。

 

2)陸運支局に行く

予約した陸運支局に、予約したラウンドの30分-1時間前に到着するようにしましょう。受付前に書類を書いたり、自賠責を発行するためです。

 

3)書類を記入する

書類を窓口で購入し、記入します。結構時間がかかります。陸運局到着時の走行距離が必要になるので忘れずにメモして持参しましょう。

書類は20円という変な金額で買うことになります。窓口の人に、ユーザー車検である旨を伝えて一式書類をもらい、見本を見ながら書いていきます。印鑑を忘れずに。継続検査の場合は署名でも可となりました。

#裏ワザ:書類記入は本当に面倒な上、必ずと言っていいほど間違えます。窓口の人にも迷惑をかけます。そこでちょっとリッチに代書屋を利用することも出来ます。代書屋は行政書士という書類執筆代行が出来る権限のある人が、陸運局から目で見てわかるところで開業しているケースが多いです。2500円ほどかかりますが、速くて正確な上、検査のアドバイスも聞けます。ただし面倒とはいえ30分で書ける書類を2500円で書いてもらうのも結構癪なので、受付時間が迫っている時の裏ワザです!

 

4)重量税を支払う

陸運局の中にある施設で、重量税の印紙を購入し書類に貼り付けます。自賠責も購入しましょう。継続検査の場合は自賠責の期間は24ヶ月です。これで晴れて税金を収めました。検査の準備ができました。

 

5)検査ラインで検査を受ける

さて、最大にして、これが全てだとでも言える難関が検査ラインです。これは下の図で詳細に説明します。

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1)書類チェックを受ける

窓口に書類一式を提出して、確認してもらいます。この時に、「点検整備はされましたか?」と聞かれたら、「いいえ、事後検査です。」と答えましょう。

初めての人は必ずと言っていいほど書類不備が出ます。早めに検査場に行き、早めに書類を書いてチェックを受けることが肝心です。検査場での時間は刻一刻と過ぎていきます。

初めてだったり、2年ぶりの人は、検査ラインを徒歩で見学できるようになっていることが多いため、事前に見学をして、どこでどのようにするのかを、検査している人の動きから観察しましょう。

2)車体番号、目視検査

いよいよ検査ラインに入ります。検査ラインはコースというものに分かれており、陸上競技のトラックのような半円形をしたラインに沿って行くと、大きな建物に車ごと入るようにできています。このうち、一番外側のコースが「マルチ」と呼ばれる初心者向けの検査ラインになっていることが多く、事前に係官にマルチのコース番号を聞いておくか、なるべく外側のコースを選びましょう。

コースに並ぶ前に、タイヤにホイールキャップ(プラスチックの部品)がついている場合は、外しておきます。タイヤの奥が黒い(スチールホイールの)車や、ボルト/ナットが5つ外から見える状態になっていない車が該当します。これはタイヤを止めてあるハブボルト/ハブナットの外観を係官がチェックできるようにするためです。

#ホイールキャップを外すには、マイナスドライバーが必要になり、手袋がないと手が汚れてしまいます。

混んでいると10台くらい、時間にして1時間程度待つこともあります。そして建物の入口で、車体番号、目視検査があります。

建物の入口が近くなったら、運転席側の窓を開けておきましょう。まず係官が、「検査用紙を見せてください」と言うので、書類一式を手渡します。

次に係官が車の前に来て、声で指示を出します。指示に従い、停車したまま右ウインカー、左ウインカー、ライト点灯、上向き、フォグランプ、ハザード、ワイパー、ウィンドウウォッシャー、ホーンを作動させます。(順番は係官によって違います。)係官は車を一周しながら、時々タイヤホイールを木の柄がものすごく長いハンマーでこんこん叩きますが、あまり気にしなくてよいです。そして係員が車後ろに立つと、左ウインカー、右ウインカ、ハザード、ブレーキ、バック、ライト消灯を指示するので、指示に従います。次に係官から、車体番号を確認するためボンネットを開けるよう指示がありますので、ボンネットを開けます。

車高の高さもここでチェックされます。すごく長い柄のハンマーを車体の下に入れてコンコンやっていたら、車高を調べています。

#万が一、最低地上高7cmの基準に引っかかってしまったら、最寄のガソリンスタンドに行き、タイヤ空気圧を3.0kg(300)~4.0kg(400)にしてみましょう。少しだけ車高が上がって通るかもしれません。ただしそれにより光軸は狂う可能性があります。

#車体番号の位置は出来る限り事前にインターネットで調べておいて、係官が迷ったら教えてあげましょう。たまに室内に車体番号がある時があり、その場合、カバーや部品等を自分で外す必要があります。

そして最後に係官は、運転席に乗り込んで、各種警告灯の点灯や、発炎筒の有効期限、窓の開閉が可能かを調べます。

そして書類を返してくれますので、きちんと受け取りましょう。

#もし検査が初めてだったり2年ぶりで不安を感じる場合は、この時係官に申し出てください。たいていハザードをつけたまま検査ラインに入るよう指示されます。

#係官はたいていにして親切ですが、時々高飛車な人もいます。こういう時には、激昂は絶対にせずに、むかつくけれど指示に従いましょう。検査ラインで怒鳴ったり暴言を吐いた場合、最悪、即刻退場の上、警察を呼ばれます。

3)サイドスリップ検査

いよいよ検査ラインに入ります。運転席側の窓は開けたままにします。まず検査ラインの手前の一時停止位置で止まって、信号、または「停止」や「進入可」となっている案内板に注目し、信号が青、または「進入可」になったら、ゆっくり車を前に進めます。

#初心者の場合は、係官の指示に従いましょう。よくわからない場合、たいてい止まって待っていれば、係官が助けに来てくれます。

サイドスリップ検査は、立体駐車場に車を入れるような、ガイド付きのラインの上を、ゆっくり車を前進させるだけです。ここで重要なのは、ごくゆっくり前進することです。人が歩く速度でも早すぎ、犬が歩く速度くらいです。猫が歩く速度でも良いかもしれません。

サイドスリップ検査の位置を過ぎると一時停止位置がありますので、そこで信号または案内板のサインを待ちます。

4)フートブレーキ、駐車ブレーキ、スピードメーター検査

次に、マルチメーターと呼ばれる機械に車を乗せます。おそらく普通の人は人生初めての経験になるでしょう。

これは乗せ方にコツがあり、前輪を、2本の大きいローラーの間に収まるように乗せます。運転席の窓から身を乗り出して前輪の位置を見ながら、ゆっくり進むことがコツです。後輪駆動車(FR、MR)では、前輪をローラーに乗せる際にまれに後輪がスリップしてしまうため勢いをつけなければならない場合があります。うまく乗らない場合はすぐに係官を呼んでください。うまく乗らないまま機械が作動した場合、事故につながります。

機械に車が乗ったら、上の方に電光掲示板があるはずです。ここにメッセージが点滅して表示されますので、見逃さないように見ましょう。そしてローラーがせり上がってきて車体が縦に揺れ、ローラーが動き出し、車体は止まったままタイヤだけ回り、車体が振動しますが、ハンドルをまっすぐ持ち、サイドブレーキを絶対に引かないようにして、電光掲示板のメッセージを待ちます。

まず、「ギアをNに」にというメッセージが出ますので、ギアをNにします。

次に、「フートブレーキ検査」というメッセージが出た後、唐突に「フートブレーキをゆっくり踏む」というメッセージか出ます。フートブレーキとはフットブレーキ、つまり右足で踏む普通のブレーキのことです。「フートブレーキをゆっくり踏む」というメッセージが出たら、直ちに思い切りブレーキを強く、これでもかというくらい踏んづけ、踏み続けます。ここで、たいていの人は本当にゆっくり軽く踏んでしまい、検査は×になります。「フートブレーキをはなす」のメッセージが出たら、フットブレーキから足を離します。なお×になるともう1回検査する場合があります。

#フートブレーキ検査は、いきなり強く思い切り踏むという説が一般的ですが、ゆっくり徐々に強く踏んで3秒後にフルブレーキ状態にする、が正しいという説もあります。ゆっくり軽く踏むだけがいちばんNGです。ブレーキの故障がない限りこの試験は普通にクリアできるはずですので、踏み方の問題もありそうです。止める力を測定しているので、根本問題はブレーキ不足です。最後はフルブレーキ、というところを覚えておきましょう。

次に「駐車ブレーキ検査」というメッセージが出た後、「駐車ブレーキを使う」というメッセージが出ます。駐車ブレーキとは、いわゆるサイドブレーキのことです。これもサイドブレーキがレバー式なら柄が折れてしまうのではないかというくらい強く、または左足で踏むタイプの場合床を踏み抜くくらいの勢いで強く踏みます。これも同様、「駐車ブレーキをはなす」のメッセージが出たら解除します。

#超重要:次のスピードメーター検査の前に、必ずサイドブレーキを解除してください。

次に「スピードメーター検査」というメッセージが出た後、車の前方に60cm×60cmくらいの変な箱が左右からせり出して上下左右に動きますが、自動車車体にはぶつからないので安心してください。「40km/hでライト点灯」と表示されたら、ギアをDに入れ、ゆっくりアクセルを踏み込んでいってください。車体は止まっていて障害物(箱)があるのにアクセルは踏めて変なローラーの音とエンジン音はするので本当に変な感じですが、ハンドルをしっかり持ち、スピードメーターが時速40km/hになったら、長めにパッシングします。

#重要:スピードメーター検査は、早過ぎるとNGになります。ゆっくりアクセルを踏み、40km/hかやや手前でパッシングをしてください。

#超重要:タイヤのインチアップや、指定サイズ以外のタイヤを装着している場合、スピードメーター誤差が出ます。これでスピードメーター検査でNGを食らう可能性があります。このような場合は、GPS付き携帯やスマホでGPS速度を計りながら道路を走って、GPS速度の時速40km/hがスピードメーターで何km/hだったか覚えておき、スピードメーター試験の時にそのスピードメーター値でパッシングします。特にスタッドレスタイヤを装着したり、インチアップした人、純正と幅を変えた人、社外ホイールの人はスピードメーター検査で引っかかりやすいので注意してください。

5)ヘッドライト検査

「ヘッドライト検査」「ライト点灯」のメッセージが出たら、ギアをNに入れ、ヘッドライトを下向きで点灯します。

#超重要:1998年式(平成10年式)以降の車は、ヘッドライト下向きで検査するよう検査要領が改定されました(2015年8月~)。以前はヘッドライト上向きで検査でしたが、現在はほとんどの車はヘッドライトを下向きで検査します。

#重要:ヘッドライト検査は、検査でもっともNGとなりやすいです。タイヤの空気圧の変化や荷物や人の重さの違いでもヘッドライトの光軸が変わるためです。何もせずに一発合格はかなり珍しいと思ってください。機材がない状態での調整は非常に難しいため、あらかじめ車検場近くのテスター屋と呼ばれるヘッドライトを調整してくれるお店を見つけておき、NGになったらすぐに駆け込めるよう準備しましょう。また1発合格を通りたいのなら、予めテスター屋で光軸調整だけはしてもらってきたほうが良いです。

6)排気ガス検査

ヘッドライト検査が終わると、前方の箱形機械が片付けられ、「前に進む」メッセージが出ますので、車両をゆっくり前に進めます。次の停止位置で車を停止させ、ギアをPに入れサイドブレーキを引き、エンジンを掛けたまま車を降りてください。

車両の右側にホースと長さ80cmくらいの棒がおいてあります。この棒の柄を持って、先端をマフラーに入れて、車両の右の待機場所と書いてあるところに行き、電光掲示板の結果が出るまで待ってください。改造をしていない車ならたいてい問題なく通ります。

#コツ:この棒(プローブといいます)は、深く差し込まずに、20cmくらいに浅く差し込むほうが良いです。

#重要:排気系の改造をしている場合、特に触媒を外している場合はNGの可能性が相当あります。またエンジンチェックランプがまれにでも点灯することがあるような車両状態だと、センサー類の異常で排気ガス値が高くなりNGになる可能性が高いです。これは当日すぐに修理できる類のものではないため、事前に対策をしてから検査をされるのが賢明です。

電光掲示板の結果が出たら、マフラーから棒を抜いて元の位置に戻し、検査用紙をポストのような機械の入口に差し込み、今までの試験結果を検査用紙に印字します。

#超重要:ポストのような機械での印字を忘れると、すべてのテストをやり直さなくてはならないくなります。絶対に印字は忘れないで下さい。

7)下回り検査

一番最後の検査です。かなり幅が狭くなった、立体駐車場のようなところに車をゆっくり入れます。左側に電光掲示板があって指示があるので従ってください。ここでも、車体右にローラーのようなものが2つ(かなり小さいですが)ついているので、そこに前輪を乗せるようにします。「ギアをNに」「エンジン停止」「ハンドルをはなす」のメッセージが出たらギアをNにし、エンジンを停止して、ハンドルから手を離します。すると車体が右に左に大きく激しく揺さぶられ、車体下からゴンゴン音がしますが、気にする必要はありません。「ブレーキを踏む」のメッセージが唐突に出ますので、フルブレーキをします。

#重要:ギアをNにしてからエンジンを停止してください。Pにしてエンジンを停止するとギアはPから動かず、検査に支障が出ます。

しばらくするとポルターガイスト的な揺れは収まり、「検査終了」のメッセージが出ますので、エンジンを掛けて車を検査場から出します。後続の人も出られるよう、なるべく遠めに駐車して、書類一式を持ち、検査場に戻ります。検査場にまたポストのような機械がありますので、印字します。

8)総合判定

検査場の出口付近に、警備員詰め所のような、窓ガラスで仕切られたブースがあります。そこの小窓から、中にいる係官に、書類一式と検査用紙を渡します。もし自分が何で不合格だったか覚えていれば、「○○がダメでした」というと親切でしょう。そして、不合格だったものについては、何がどれくらいダメだったかの一言アドバイスをしてくれます。すべて合格なら、ここで係官の押印をもらって、検査終了です。不合格なら、問題があったところを整備して再度コース入口に戻ります。

#ここで、不合格だった場合、係官は専門用語を使った難しい会話をします。しかしここは一言一句聞き逃さないように覚えるかメモしてください。あとで整備するときにディーラーやテスター屋でその内容を伝えると、すぐに解決できる場合があります。

#不合格だった場合、これを参考に軽い整備をすれば、当日中の再検査、合格も可能性は十分あります。不合格でも諦めないで、最後の最後(16:00)まで粘ってください!

 

6)車検証発行

晴れて検査ラインで合格したら、窓口で車検証とステッカーを発行してもらいましょう。窓口に書類を出せば、ほんの5分、10分で、新車検証が貰えます。受け取った瞬間、ああ、なんて車検って簡単なんだ、そして自分の力でよくやった!たった1日で13万円もセーブ出来た!最高だ!と感動することでしょう。ステッカーの張替えはお忘れなく。安全運転で帰りましょう。

HAPPY END!

車検は業者を使わなくても自分で取得することが出来ます。運輸局も認めているその方法をご紹介します。