車検の方法:全部で3種類

ここではユーザー車検について、予備知識をしっかり持ってもらいます。ユーザー車検がどういうものであるかを理解して、そのリスクと利益を検討して、あなたの車検の取得方法を検討してください。

車検を受ける方法には大きく分けて3種類あります。

・車検代行業者による車検(ディーラー、大手車検代行業者等)

ディーラーや大手車検代行業者は、通常4万円-2万円程度の手数料と、4万円-2万円の法定24ヶ月点検整備費用を依頼者より受け取って、陸運局の車検ラインを通して車検を取得します。この際、車検の手数料だけでは利益が薄いため、ディーラーなどが特にそうですが、下回りの洗浄や車検のために交換する必要が無い部品の交換を車検に必要と偽り、その費用を本来の車検費用に付け足すため、車検費用が高額になります。

・認定整備工場での車検

陸運局が車検を陸運局以外の工場で完了できるように許可したものが認定整備工場です。認定整備工場では法令に定めた整備を行い、陸運局の検査ラインを通さずに、検査ラインに相当する自社の整備工場の検査施設を使用して車検を行います。認定整備工場のメリットは、陸運局の厳密な車検ラインを通さなくても良いことです。あまり大きな声では言えませんが、実態として陸運局の車検では通らないような状態の車でも、認定整備工場の権限で車検合格にする例が多いです。触媒を外した車や爆音車、競技車、デコ車、極端なローダウン車など陸運局の検査ラインでは絶対に通さないような車が車検に合格してしまうのは、このような実態があるためです。車検代行業者による車検より安い場合もあると聞きますが、工場によりその費用はまちまちです。

・ユーザー車検

自動車の使用者が自ら陸運局に車検の申し込みをし、自ら所定の検査場にて検査ラインを通して車検を取得するのがユーザー車検です。

ユーザー車検では、国や地方に納付する規定された税金(約7万円)と、3000円程度の検査料を支払うだけで車検の検査を受ける権利を得られ、実際に検査ラインを通しその検査基準に合格すれば、車検が正式に取得できます。

ユーザー車検では陸運局の検査ラインを自分で直接通す必要があり、法令に従い車両に問題がない状態でなければ絶対に合格しません。つまりユーザー車検で不合格になって車が運行できなくなっても自己責任ということです。なお、検査ラインを初めて通した日から14日後までは再検査が可能です。

なおユーザー車検を行った場合でも、法定24ヶ月点検は免除されるわけではありません。つまり点検費用が浮いた、と思うのは間違いで、自分で法定点検項目の点検を行うか、工場に法定24ヶ月点検を依頼し、メンテナンスノートに記録する義務があります。ただしこの法定検査は厳密には車検とは異なるため、法定24ヶ月点検は車検取得前でも車検取得後でもどちらでも良いということになっています。つまり法定24ヶ月点検が完了していなくても、事後検査すると申告すればユーザー車検は受けることが可能です。

ユーザー車検においては、必ず予約をしたうえで、平日に陸運局の自動車検査場の車検ラインで検査を受けなくてはなりません。検査は平日である必要があります。不具合があった場合は再検査のため、さらに平日が必要になることもあります。

 

さて、ここまで読んでいただいた方であれば、ユーザー車検がコストが一番安いが一切融通が聞かず難しいことにお気づきでしょう。ユーザー車検は国の検査官が直接車を検査します。ユーザー車検は簡単だとする解説がインターネット上で多く見られますが、はっきり言って本当は結構苦労します。失敗例も多いです。事前に知識がないと全く刃が立ちません。

それでもコストを安く済ませたかったり、自分で車検を取得してみたいと思われる方は、この先に読み進んで、ユーザー車検の詳細を見てみてください。

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車検は業者を使わなくても自分で取得することが出来ます。運輸局も認めているその方法をご紹介します。